◎〔NY金〕小反発(22日)
2019/05/23 04:15
 【ニューヨーク時事】22日のニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米中貿易摩擦の激化に対する懸念がくすぶる中、小反発した。中心限月6月物の清算値は前日比1.00ドル(0.08%)高の1オンス=1274.20ドル。
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は21日、トランプ政権が中国の防犯・監視システム最大手の杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)の製品が米国の利害を損なう恐れがあるとして、米企業による取引の制限を検討していると報道。通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)制裁に続く取引制限となれば、米中貿易戦争の激化は避けられないとの見方が広がり、安全資産としての金買いが先行、相場は朝方に一時1277.10ドルまで上昇した。ただ、外国為替市場ではドル高・ユーロ安基調が継続。ドル建てで取引される金相場の重しとなったほか、米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨の公表を午後に控えて徐々に様子見ムードも強まったため、金の上値は抑えられた。
 その後、連邦準備制度理事会(FRB)が発表した4月30日、5月1日開催分のFOMC議事要旨では、物価の伸び悩みについて大半の参加者が一時的との認識を表明。また、景気と物価を押し上げるための利下げの必要性に言及する意見は出なかったことが明らかになったが、金相場への影響は限定的だった。
 金塊現物相場は午後1時40分現在、0.900ドル高の1274.720ドル。(了)

[時事通信社]