◎〔外為・今日の材料〕ドル、158円台前半=米雇用統計控えボックス相場か(9日)
2025/01/09 08:17
 9日の東京外国為替市場のドルの対円相場は、週末の米雇用統計の発表を控えて様子見ムードが強まり、1ドル=158円台前半を中心としたボックス圏での推移が見込まれる。もっとも、トランプ次期米政権の発足を前にした米インフレ再燃懸念を背景に米長期金利は高止まりしており、下値は堅そうだ。予想レンジは157円80銭~158円80銭。
 前日の海外市場では、欧州時間から米国時間にかけ、157円台後半から158円台半ばへ急伸した。米メディアの一部報道で、トランプ次期米大統領が輸入品に対する関税強化に法的根拠を与えるため、国家経済緊急事態の宣言を検討していると伝えられ、「米長期金利が上昇したことが材料視された」(外為仲介業者)とみられる。
 ウォラーFRB理事の追加利下げを支持する旨の発言や2024年12月のADP全米雇用報告が市場予想を下回ったことなどを受け、いったん158円10銭台まで水準を切り下げたが、その後は158円台前半~半ばでもみ合った。東京時間の早朝はやや売りが強まり、158円20銭台で推移している。
 米国で発表された雇用関連指標は、24年12月のADP全米雇用報告の非農業部門就業者数が市場予想を下回った一方、週間新規失業保険申請件数は改善し、まちまちの結果になった。また、24年12月17~18日開催のFOMC議事要旨が公表されたが、「想定通りだった」(FX業者)ことから、相場の反応は限られた。
 米長期金利の高止まりがドルへの追い風になっているが、足元は米雇用統計の発表前であることに加え、9日は米国がカーター元大統領の国葬で株式市場は休場、債券市場も短縮取引になることもあり、「動きづらい」(邦銀)とみられる。
 本日は、東京時間は日銀支店長会議や1月の地域経済報告(さくらリポート)公表、11月の毎月勤労統計発表など、海外時間はボウマンFRB理事の講演がある。(了)

[時事通信社]