◎〔NY石油〕WTI3日続伸、60.98ドル=週間、月間ともマイナス(31日)
2025/11/01 04:53
【ニューヨーク時事】週末31日のニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、米軍によるベネズエラ攻撃の報などに注目が集まる中、3日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月12月物の清算値(終値に相当)は、前日比0.41ドル(0.68%)高の1バレル=60.98ドル。週間では0.85%安、月間では2.23%安となった。1月物は0.40ドル高の60.60ドル。
米紙マイアミ・ヘラルド(電子版)は31日、米政権がベネズエラの軍事施設への攻撃を決定し、近く空爆に踏み切る可能性があると報道。米国防総省は24日、空母「ジェラルド・フォード」を中南米に派遣すると明らかにしており、地政学的リスクの高まりを意識して相場は上昇、一時61.40ドル付近の高値を付けた。
しかし、トランプ米大統領が攻撃の計画を否定したため、相場はいったん上げ幅を一掃。取引半ば以降は、需給の緩みに対する警戒感を背景とした売りと、持ち高調整の買いが交錯して一進一退となった後、プラス圏を維持して引けた。
中国当局がこの日発表した10月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は、半年ぶりの低水準に悪化。また、世界最大の石油輸出国であるサウジアラビアが12月のアジア向け販売価格を引き下げる可能性があると伝わり、朝方までは軟調に推移していた。
市場はまた、石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」が11月2日に開く会合に注目。有志8カ国は12月の生産方針に関する協議を行い、一段の生産拡大を決めるとみられている。
▽ガソリン=4日ぶり反落。中心限月11月物の清算値は1.03セント安の1ガロン=199.31セント。 ▽ヒーティングオイル=3日ぶり反落。11月物の清算値は2.88セント安の1ガロン=243.12セント。(了)
[時事通信社]