◎〔NY外為〕円、154円近辺(31日)
2025/11/01 06:24
 【ニューヨーク時事】週末31日のニューヨーク外国為替市場では、円相場は1ドル=154円近辺で小動きとなった。複数の米連邦準備制度理事会(FRB)高官の発言に対する円相場の反応は限定的だった。午後5時現在は153円94銭~154円04銭と、前日同時刻(154円10~20銭)比16銭の円高・ドル安。
 ダラス連邦準備銀行のローガン総裁は31日の講演で、米国のインフレ率は依然として高い一方で、雇用下振れリスクにはこれ以上の予防的措置を取る必要はないとし、今週の連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBは「利下げする必要はなかった」と明言し、12月の会合での追加利下げも難しいとの見解を示した。カンザスシティー連邦準備銀行のシュミッド総裁も31日に公表した声明で、今週のFOMCでは「政策金利維持が適切と判断した」と強調。FRBが次回会合での追加利下げに慎重となるとの観測が再確認されたものの、前日に円相場が8カ月半ぶり安値を付けた上、日本の連休を前に積極的な商いは手控えられ、一方的な円売り・ドル買いにはつながらなかった。
 片山さつき財務相は31日の閣議後の記者会見で、30日の日銀の金融政策決定会合などを受けて足元で円安が進行していることについて、かなり一方的で急激とした上で、「投機的な動向も含めて、為替市場における過度な変動や無秩序な動きについて高い緊張感を持って見極めている」と述べた。片山財務相の円安けん制発言を受けて警戒感が広がり、円は支えられた。
 ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1528~1538ドル(前日午後5時は1.1559~1569ドル)、対円では同177円70~80銭(同178円25~35銭)と、55銭の円高・ユーロ安。(了)

[時事通信社]