◎〔NY外為〕円、155円台前半(15日)
2025/12/16 07:44
【ニューヨーク時事】週明け15日のニューヨーク外国為替市場では、米雇用統計の発表待ちの中、日銀の利上げ観測を背景とした円買い・ドル売りが優勢となり、円相場は1ドル=155円台前半に上伸した。午後5時現在は155円18~28銭と、前週末同時刻(155円76~86銭)比58銭の円高・ドル安。
日銀が15日発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)は、大企業製造業の景況感が3四半期連続で小幅ながら改善。これを受け、日銀が18、19両日開く金融政策決定会合で追加利上げに踏み切るとの観測が改めて強まり、円買い・ドル売りが進行。ニューヨーク市場の円は朝方、一時154円83銭まで上伸した。
米長期金利低下に歯止めがかかると、ドルが買い戻され、円は155円台に軟化した。ただ、翌16日に米雇用統計の発表を控え、投資家の様子見ムードが強く、円の下値は堅かった。18日に発表される消費者物価指数(CPI)と併せて、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に関する手掛かりを得たいとの思惑が広がった。
この日は複数のFRB高官が発言あるいは声明を発表したが、市場の反応は限定的だった。ミランFRB理事は講演で、米国のインフレ動向に関し、住宅費の「十分以上な」ディスインフレがコア項目の物品価格が下がりづらい状況を相殺できるとの見通しを示した上で、不必要な引き締め的な政策の継続は「雇用喪失をもたらす」と警告。ニューヨーク連邦準備銀行のウィリアムズ総裁はこの日の講演で、「ここ数カ月間、雇用の下方リスクが高まった」との警戒を示した。
ユーロは同時刻現在、対ドルで1ユーロ=1.1745~1755ドル(前週末午後5時は1.1735~1745ドル)、対円では同182円32~42銭(同182円89~99銭)と、57銭の円高・ユーロ安。(了)
[時事通信社]