◎〔外為・今日の材料〕ドル円、小動きか=米雇用統計控え様子見(16日)
2025/12/16 08:04
 16日の東京外国為替市場のドルの対円相場は、米雇用統計の発表などを控えて様子見姿勢が強まり、小動きとなりそうだ。予想レンジは1ドル=154円50銭~155円80銭。
 前日の海外市場では、欧州時間は米長期金利の低下を眺め、155円00~20銭台から154円80銭台へじりじりと値を下げた。米国時間の序盤は、おおむね154円80銭~155円20銭台でもみ合い。中盤には米長期金利の上昇に伴い、155円30銭台に値を戻した。終盤はやや水準を切り下げ、東京時間早朝は155円10~20銭台で推移している。
 前日の東京時間は、日銀が発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)の結果が「今月の利上げを支援する内容だった」(シンクタンク)と受け止められたことなどから、ドル売り・円買いが強まった。一部では、木原稔官房長官が短観公表後の記者会見で「金融政策の具体的手法は日銀に委ねられるべきだ」と発言したことも「材料視された」(FX業者)との見方もあり、ドル円は156円近辺から一時155円を割り込んだ。
 このような経緯から、ドル円は「当面、上値は重い」(国内証券)とみられる。一方、前日の海外時間も含め、155円割れは長くは続かなかった。「週末の日銀金融政策決定会合や植田和男総裁の記者会見で、来年以降の利上げに関してどのような示唆があるか不透明で、下値も堅いため、結果的に方向感は出づらい」(先のFX業者)との見方もある。
 本日は、東京時間は目立った材料はない。一方、米国時間は、11月の米雇用統計、10月の米小売売上高、12月の米製造業購買担当者景況指数(PMI)など重要な経済指標の発表が相次ぐため、東京市場では「積極的な売買はしづらい」(邦銀)とみられる。(了)

[時事通信社]